小学校で授業をしてきたら危機感しかなかった
理科の教員免許を持っている紹太です。
ひょんなことから地元の小学校から授業をして欲しいというオファーをいただきました。
「小学生の夢が職業になっている価値観をぶっ壊してほしい!」という依頼です。
めっちゃ面白そう!と思って、脊髄反射で「やります!」と返答しました。
【7年ぶりに学校で授業】
教室で授業するのかと思いきや、体育館で小学6年生120名の前で「働き方」の話をさせていただきました。「小学生の夢が職業になっている価値観をぶっ壊して欲しい」という依頼!
確かに何になりたいかじゃなくて、どうしたいかが大事だなーと改めて思える時間になりました^^ pic.twitter.com/K8egkpXnCz
— 斉藤紹太🍐ブログコミュニティ運営者&梨売る大家 (@sho_rinrin) November 9, 2021
ところが当日小学生達に教えるつもりで授業に臨んだのに、教えられることばかりで恐怖すら感じたのでそれをシェアします。
学校側が取り組む教育が素晴らしすぎる
今回、地元の小学校でキャリア教育授業のゲスト講師という形でお声掛けいただきました。
オファーされたのはブログ、YouTube、プロデュース業、不動産賃貸業など、一人で色んな仕事をしている人はまだまだ珍しいためです。
課題はほとんどの小学生は「将来の夢=職業」になってしまっていること。
言われてみれば自分も子供の頃そうでした。
僕は6年生の頃はドラゴンボールにハマっていたので漫画家になりたかったです(笑)
夢が職業に固定された価値観をぶっ壊すために「仕事について好き勝手に話して欲しい!」という依頼。
シンプルに面白そうだし、実際に授業をしてめちゃめちゃ楽しかったです!
冷静に考えて、キャリア教育で斬新な取り組みがされていてすごくないですか?今の小学校。
数年前では怪しいと言われていたネットで起業した個人すら、公の場でスポットライトが当たるような時代になってきたことに僕は驚きを隠せません。
もう本格的に一つの仕事をする時代は終わりです。
付け加えるとネットで起業をしているというのもデフォルトになっており、人材としても希少性がなくなってくるので差別化は最低条件に入ってきます。
公立の小学校でもう起業や複数の仕事を持つことの重要性を知る機会がある。
たった数年で恐ろしい変化率です。
それに気づいていないままの大人はドンドン遅れていきます。
逆にこの記事を読んでいて、危機感を抱けたならラッキーです。
まだ時代の変化についていけてない人は、意地でも会社にぶら下がり続けるか、何かに挑戦するかの2択しかありません。
小学生ですら変化が求められているので。
学校の先生たちの姿勢が素晴らしく、
「複数の仕事をする」
「起業して自分で仕事を作る」
教員という副業禁止の公務員の立場では教えられないこと理解して、伝えられる人を探して授業づくりをしていることに感服しました。
新しい取り組みが学校教育で行われていること、それに関われる場を作っていただけたことがシンプルに嬉しかったです。
なぜオファーしていただけたのか?:取り組みを発信する
声を掛けてくれたのは大学4年生の頃に一緒に教育実習を共にした同級生の友達です。
「LINEのメッセージで小学生向けに授業をしてくれない?」とライトに連絡をいただきました。
時たま行われる同期の実習生の飲み会で
ブログを書いて生計を立てていたり、YouTubeをやったり、古い戸建てを買って再生していたことを話していたのが授業をする機会に繋がりました。
プライベート用のFacebookアカウントでもたまに自分の活動を発信していたのも、記憶に残っていた要因かもしれません。
何事も発信しておくことが大事です。
いやー、どんなことに面白い話に繋がるかわかりません。
ビジネスでうまくいき始めた起業家の人は既存の人間関係を捨てがちですが、ゆるく人と繋がっておくと面白いことに発展する可能性があるので大事にしておきたいものです。
貴重な機会をいただけて、オファーを出してくれた友達に感謝感謝です。
小学生へ授業で伝えたこと:夢=何をしたいのか
「自分で起業がしたい」
「本業以外の収入が欲しい」
といったことを考えている大人相手には何度もコンサルや指導をしてきました。
しかし、小学生相手に授業をするのは初めてです。中高生の教員免許しかないので。
・どうすれば興味を持ってもらえるか?
・どう伝えたら仕事に対しての価値観をぶっ壊せるか?
・何を伝えたらワクワクする夢を持てるか?
将来の夢=職業という固定化された価値観を書き換えるためには何を直球に伝えたら、変わるきっかけになるかを脳みそ振り絞って考えました。
授業前日の夜は日付またいで当日の午前2時まで資料の修正をしていました(笑)
最終的には「ひとり社長のお仕事」というテーマに決定します。
「ひとりで社長ってどういうこと?」
「社長の仕事って何?」
「会社って一人でもできるの?」
など、子どもたちの頭の中がはてなで埋め尽くすよう仕掛けます。
取り組んでいる仕事については内容をシンプルにするため、3種類に絞って話をしました。
- 文章を書く仕事(ライター)
- YouTuber(プロデュース)
- 家を買って、直して、貸す
一人でこれらの仕事をこなしていること、なぜその仕事を始めたのかを語ります。
余談ですが授業は教室でやるのだと思っていたのですが、体育館で6年生120名以上の前で話すことが当日わかりました(笑)
文章を書く仕事(ライター)
ブログとか、ライターとか、言ってもイメージしにくいと思い、
「文章を書く仕事」という表現をしました。
ちょっと難しい話だったかもしれませんが、
人に何かを伝える仕事はなくならないということ。必要とされ続けること。
今の時代性に合わせて文章を書く仕事が活きる場として、YouTubeの台本を作ったり、誰かに何かを伝えるときに必ず使うスキルであることを強調しました。
そこから次の仕事のYouTubeに繋がります。
覚えた仕事や自分がしてきたことは、必ず次に繋がることをなにより伝えたかったからです。
一つのスキルを身に着けてから、それを活用して複数の仕事を作っていくのが良いんだとぼんやり理解してくれたのではないかと思います。
YouTuber(プロデュース含む)
小学生にとって一番反応が良かったのはやっぱりYouTuberでした。
質問されたので僕のYouTubeチャンネルの登録者数を伝えたら、HIKAKINと比較されて大したことないじゃんという空気が流れました。(2500人くらい…)
はい。もうちょっと努力します。
みんなYouTuber=HIKAKINなんですね(笑)
小学生らしくてかわいいです!
一つ新たな気付きとして、小学生の反応を見ると響いていたのはYouTuberのプロデュース業という選択肢もあるということ。
みんな自分自身がYouTuberになることを想像していましたが、実は裏に動画の企画を考えたりする人が存在することを知って驚いていました。
一つの仕事の中に様々な役割があることを知るだけでも、仕事に対して相当視野が広がったと思います。
実際に僕が過去にプロデュースをしていたYouTuber(現在登録者5万人)の動画を見せて具体的なイメージを持ってもらいました。
キャッチーな動画だったので、小学生の心を鷲掴みにしていました(笑)
プロデュースに関わっていて本当に良かったです!人生何でもネタになる!
家を買って、直して、貸す(不動産賃貸業)
家という誰もが馴染みのあるものを通して仕事をしている話もしました。
お金をいただく手段は「自分自身が働くこと」だけではありません。
家を人に貸すなどのモノにお金を稼いでもらうという選択肢もあるよと。
僕が小学生のときはそんなお金の稼ぎ方があるということすら知らなかったですからね(笑)
それもあって個人的には強く伝えたかった内容。
察しのいい子は、どれくらいの金額で家を買って、どれくらいで貸しているかを聞いてきました。
予想通りの質問が出て嬉しい。
僕が最初に購入した物件は220万円で戸建てを買い、諸経費&修繕費で140万円使いました。
それを月7.5万円で貸しているので1年で90万円です。
数字の計算が早い子は「4年でプラスだ!すげえ!」と声が漏れていました。
むしろちゃんと理解できていて逆にすげえって。
小学6年生のピュアゆえの真っ直ぐな質問が来まくる
授業は体育館で40分ほど話をして、その後はQ&Aタイム。
自分が想像していたよりも、興味を持ってもらえて質問するために手を上げてもらえました。
意欲的に参加してくれるのは伝える側として一番嬉しいことです。
ただ、体育館だと人数も多く、恥ずかしくて手を挙げられない子もいます。
先生からも頼まれて各教室を10分ほど回って、さらに小学生たちの質問に答えていきました。
Q&Aの時間に貰った質問でも鋭い質問があったので一部紹介していきます。
Q.YouTuberをやってみたいけど得意なことがありません。それでもYouTuberはできますか?
やってみたいけど、どうして良いかわからないからこそ出る質問だなと思いました。
あとは自分に自信がないということも気持ちがあるのかもしれません。
A. 得意なものがないと言うけれども、君は好きなものはありますか?
例えば漫画は好きかな?
漫画でも好きな作品はある?
なるほど。あるとしたらその作品を知らない人にどうして好きなのか、面白いのかは説明できそうかな?
もしできそうなのであれば、それをネタにして動画を撮ることでYouTuberもできるはず。
自分が得意と思っていなくても、相手にする人によっては得意なことに見えるかもしれませんよ。
大人も含めてですが、自分が知っていること、できることを過小評価している人は多いです。
出せば光るスキルや知識も出さなければ宝の持ち腐れ。
みんながみんなプロや1番の人に教わったり、話を聞きたいわけではありません。
小学生の頃にサッカーを少し習っていたのですが、先生は必ずしもプロサッカー選手じゃなくても良いのと同じです。
僕も飲み屋でお酒にちょっと詳しいおじさんに、お酒の知識を教わったりすることありますからね(笑)
対象とする人より少し詳しいだけでOKと考えたら挑戦するのに少し気が楽になりませんか?
Q.先生は夢を否定されたりしたことはありますか?あったとしたらどうしてきましたか?
回答をどうするべきか一番悩んだ質問でした。
夢があるからこそ聞いてくれた内容。そして否定された経験があるからこそ出た質問だとも思います。
言葉につまりながら思うように回答しました。
A.
んー、、、僕も夢を否定されたことがあります。
やりたいと思ったことに対して、
「絶対に無理だ」「できるわけない」「やめておけ」などと言われたりしました。
僕の場合は会社を辞めて、今日話したように個人で仕事をしていこうとした頃です。
特に一番ショックだったのは母親に否定されたことですね。
けど、やっていきたい夢のことを友達や人に語ったときに
「紹太ならできるよ」「良いじゃね?」と応援してくれる人が当時2~3人いました。
僕はそっちの応援してくれる人の言うことを信じました。
こうすれば良いという明確な答えはないけれど、最終的には自分がどう捉えるかが大事かな。
夢があるならば挑戦してみれば良いし、やりたいという気持ちが勝つならば否定する人がいてもやってみたら良いよ。
そして、夢があることに自信を持っていいと僕は思います。
世の中にドリームキラーは必ずいますからね。
そういった否定的な意見にやられてしまう人は少なくありません。
ちょっとだけでも応援してくれる人が一人いれば、人間それを支えにやっていけると僕は思っています。
挑戦しようとしている人は、方向性が間違っていなければ僕は応援し続ける人間でありたいです。
Q.YouTuberをやるとアンチコメントがつきませんか?やってみたいけどコメントが怖いです。
YouTubeを日常的に見ているからこそ出る質問だなと(笑)
あとはこの頃からやってみたいけれど、最初から否定されるかもしれないという意識がどこかにあることにびっくり。
ビジネスをこれから始めようという人でも周りの目が気になる人は多いので、大人も子供も悩みやマインドブロックになることは一緒なんだなと学びになりました。
A.
アンチコメントかー。
僕もYouTubeに動画を投稿しているからアンチコメントはもらったことがあります。
逆に質問になってしまうんだけれども、YouTubeを自分でもやっていたとしたら動画は再生されたいと思う?
されたいよね。
YouTuberになるうえで一番辛いことってどんなことかな?
僕は誰にも動画が再生されずに見てもらえないことが一番イヤだと思います。
なかなか動画が再生されていない中で否定的だけど、コメントをしてくれる人がいたとしたら君はどう思うかな?
もっと言うのであれば、そのコメントが否定的だけれども動画を隅々まで見ていないとできないコメントだったらどうだろう?
それはアンチコメントなのかな?
一見アンチっぽいけど自分の動画をよく見てくれているもはやファンなんじゃないかな。
だから、僕はアンチコメントであっても反応をしてもらえているという点では嬉しいし、なんならアンチでももっとコメントをしてほしいです。
発信をしていて最も辛いのは、全く反応がないことです。
捉え方次第ですが、アンチコメントも反応の一つ。
YouTubeのコメントであれば、わざわざ時間を使ってテキスト打っている時点で自分の発信に人生の可処分時間を使ってくれていると捉えることができます。
すでに反応があっても賛同しかない場合は、新規層にアプローチができていないケースがほとんどです。
居心地は良いかもしれませんが、変化も刺激もありません。
アンチや受け入れがたいと思う人がいる発信だからこそ、人を惹きつけるし、魅力的に移ります。
また日本特有な事柄として、賛同者はサイレントマジョリティーなので基本的にコメントをしません。
「何もコメントはしないけどファン」という層が多いので、反応が少なくても見てもらえてれば一定数のファンがいると見て良いですね。
授業をしに行ったのにむしろ学ばされっぱなしだった
たった2時間ほどの授業でしたが、むしろ小学生の子たちから学ばされることばかり。
大人でさえも悩むようなことをすでに考えたり、向き合っていたり、ハッとさせられるタイミングが何度もありました。
教えるつもりで偉そうに話しているけど、逆に教えていく過程で至らない部分がバンバン見つかった瞬間でした。
純粋な気持ちで学び取ろうとする姿勢や新しいことへのときめきなど薄れていたなと。
起業して、学んで、ちょっと賢くなって、学びへの貪欲さが少し弱くなっていたことに気づけました。
今の時代の小学生は一人一台タブレット端末を所持していて、触れている情報量がとんでもなく多いです。
デジタルネイティブの世代と10年後には戦っていくと考えると、危機感と恐怖すら覚えました(笑)
年齢関係なく僕らも知識を学び続けていくべきだし、新しいスキルを得ていく必要があります。
同じ時間を過ごしていても時代が進めば情報の量も質も上がるので、若い世代はさらに早いスピード感で成長して当然です。
「昔は良かった」
「あの頃が一番楽しかった」
「新しいことをするのが億劫だ」
なんてことを言い出したら老害化が進むだけ。
挑戦し続けている大人がカッコいいと思うし、
「今が人生で一番楽しい」と言い続けられる人生を僕は送りたい。今を生きる小学生たちのように。